「怪物」
監督:是枝裕和
公開年:2023年 日本
上映時間:126分
是枝監督の最新作でカンヌで受賞もしている話題作!
観てきました👀
感想や気になった点を雑多に書いていこうと思います。
非情に読みづらい文章となりますが、ご勘弁ください……。
◆感想◆
人間を突き詰めていく中で生まれる作品だと感じます。
これから先も人間は自覚により、生きづらくなっていくけど、
それでも人間は素晴らしくておもしろい。
そう感じました。
◆気になったところ書き出し◆
1.校長先生の言葉
「誰かにしか手に入らないものは幸せとは言わない。誰でも手に入るものを幸せ」
物語の中でとても重要な言葉のようなのに、スッと理解できないような言葉が出てきます。
ラストシーンとともに、かなり視聴者に意味の解釈を委ねられている言葉だと感じます。
ネットで検索してみても、様々な解釈がされています。
「嘘をつくこと」と「幸せ」を絡めた解釈が多く見られますが、それも一つの考え方だと思います。
他にも、同性愛やシングルマザーとしての生き方など、社会でまだまだ偏見が残る価値観について、
「誰もが理解を示す世界にならない限り、人間にとって幸せを手にすることはできない」という解釈もできます。
幸せについて本気出して考えてみたら色々な意見が出てきそうですね!!
2.猫の死体の処分
劇中に湊と依里が猫を埋葬してあげるシーンが出てきます🐱
なぜ、階段の下で死んでいた猫がそのままだと生まれ変われないと考えたのでしょうか?
物体が土をかぶせられる(見えない状態になる)ことが、生まれ変わりのための条件と推測できます。
シュレディンガーの猫(とは厳密には違いますが)のように、見えない状態になることで、
生きている状態と死んでいる状態が重なるので、生まれ変わるという道が開けるのではないかと想像します。
目に見える状態で死んでいる猫は、間違いなく「死んでいる」状態なので、生まれ変われないんですね。
3.最後の二人は生きているのか?死後の世界なのか?
これもすでに考察がたくさんあり、視聴者に解釈を委ねられているシーンですね。
個人的にこのシーンは死後の世界ではないと思っています。
ストーリー全体がファンタジーではないので、
最後だけ非現実な世界で綺麗にまとめるのは、相応しくないと感じます。
非情に人間らしい部分をつき詰めて表現している作品です。
二人の少年も生まれ変わりを本気で信じてはいないと思います。
世界は生まれ変わって終わりに出来るほど簡単ではないはずです。
ただ、精神的には生まれ変わったということで間違いないと思います。
4.鈴村広奈(高畑充希)は何の象徴?
登場人物全てが何かの象徴になっている本作。
その中で宏奈は何を象徴しているのでしょうか?
若い宏奈は結婚前のステレオタイプな女性象を象徴していると考えられます。
プロポーズの仕方について意見をしたり、
男性の「大丈夫」と女性の「また今度」という言葉について話したりしています。
また、結婚という儀式を行う前の立場だからこそ、
週刊誌の取材を受けた保利のことを深く知ろうとすることもなく、
激しく批判することもなく、
自分の言葉(飴の件やシングルマザーの件など)が保利に影響を与えたことも意識せず、
簡単に保利を見捨てます。
5.湊が髪の毛を切った理由は?
依里に触られた髪をバッサリ切り落とす湊。
この時の気持ちはどうなっているのでしょうか?
まだ自身がもつ同性愛の気持ちに確信をもてない湊は、
依里に髪を触られたことで、不思議な気持ちになっている自分に混乱しています。
その複雑な気持ちに違和感と恐怖を感じたため、
どうしたらよいのか分からず、依里に触られた髪をバッサリと切り落とします。
6.転覆が持つメッセージ
転覆病、校長先生が作った折り紙の船、度々映し出される諏訪湖
大切な人・ものを失うこと=転覆という表現を用いているのでしょうか。
落下とかではなく転覆。
全ての登場人物が急激に人生を失うのではなく、
ゆっくりと沈んでいく様が転覆だとしっくりきますね。
7.カメムシとキリン
父親の生まれ変わりについて交わされる会話で、
「カメムシ」「ウマ」「キリン」という動物が出てきます。
この意味は何でしょうか?
とくに意味がない?で片づけるには、この物語は無駄が無さすぎますよね。
チェーホフの銃ではありませんが、意味を考えていきたいと思います。
正直しっくりくる考えが浮かばないので、次のブログ更新までに
色々調べさせていただき、加筆していきたいと思います!
◆まとめ◆
物語の中でも様々な登場人物の視点で描かれる世界が大きく変わる本作。
視聴者それぞれの視点でも解釈が変わりすぎる作品だと思います👀
色々な人と話して解釈を広げていきたいですね😎
まだ観ていない方!超超超おすすめですよ!!
ぜひ、映画館で見てください🎥